活動情報

kengo_takahashi

日本🇯🇵

活動情報1/8
作品

花鋳込軽銀匣「空華」

基本情報

素材・技法
金属
サイズ・重量
高さ:45 mm・横幅:46 mm・奥行:46 mm・重量:30 g

作品説明

本作は、自然の摂理と鋳金技術によって生まれた「匣(はこ)」です。 独自の鋳造技法「花鋳込み」を用い、本物の花を原型として使用しています。750度の焼成で花そのものは焼失し、その「死」と引き換えに、0.1mmの極限の薄さを持つ金属体として「再生」しました。ここには、花の可憐な造形だけでなく、葉脈や花弁の微細な表情、そして生命が内包していた時間そのものが克明に刻まれています。  かつて、匣(はこ)は大切なものを守り、隠し、あるいは封印するための特別な道具でした。 この《空華》の匣もまた、物理的な物を入れる容器であり、持ち主の「記憶」や「祈り」、あるいは形のない「想い」を納める精神的な器です。 金属へと姿を変えた花は、永遠に枯れぬ強さを手に入れましたが、その内側には、かつてそこに存在した生命の痕跡(ヴォイド)を抱いています。この「不在の空間」にこそ、使う人の心が重なり、静かな対話が生まれることを意図しています。 自然の中から生まれ、人の手によって永遠性を与えられたこの匣が、日々の喧騒の中ふと立ち止まり、生命の循環や、目に見えぬ大切なものに想いを馳せる「よすが」となれば幸いです。

制作背景

1. 鈴木長吉と津田信夫の系譜 私の制作は、日本の鋳金史における二人の巨匠のDNAを受け継いでいます。鈴木長吉が追求した対象の生命感に肉薄する徹底的な「リアリズム」と、津田信夫が提唱した素材の美しさを引き出し工芸を芸術へと高める「精神性」。この二つを現代的に統合し、金属の硬質さと花の有機的な生命感を融合させた表現を模索しています。 2. 明治工芸「超絶技巧」の再解釈 明治工芸に見られる細部への執念深いまでのこだわりを、私は「集合美」として再解釈しました。個々の緻密な鋳造表現もさることながら、無数の花々が集積することで生まれる圧倒的な熱量やうねりは、かつての「超絶技巧」が持っていた精神性を、現代のアートとして昇華させたものです。 3. 歴史の更新:「花鋳込み」という革新 これらの歴史的文脈の上に、独自の「真空加圧鋳造法」による「花鋳込み」を確立しました。0.1mmという極限の薄さで花を完全再現するこの技法は、先人たちの写実精神をテクノロジーで極限まで推し進めたものです。刹那の命を永遠の金属へと置換することで、私は工芸の歴史を更新し、「生と死、再生」の物語を紡いでいます。

「活動情報」はクリエイター自身の制作・主催活動の記録であり、Marketでの販売状況とは連動しません。

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