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カートは空です
URUSHITSUBO
日本🇯🇵
冷たく澄んだ空気の中の月ほど美しく見えるような気がしています。 曇りの多い北陸ですと、たまに雲間から覗く明るい月が本当に嬉しく、心に映えます。 そんな月を眺めていると、潔白であらねば…という気持ちが起こってくるのですが実際の生活は中々そうはいきません。 誰も見ていないのをいいことに悪いことをしたり、周りの人達を傷つけてしまったり。 そういう自分も自分自身なのだと開き直っている所もあるのですが、せめて心の中だけでも清らかな花を咲かせておこうと思っています。 ミズメザクラの木地を菊の形に彫り、伝統的な本堅地技法で漆を塗りました。 黒蝶貝の丸で月を表し、そこに白蝶貝の白い花を咲かせています。花の中心には丸く削り出したファイアオパールを入れました。 貝の加工から手掛けているので輝きの良い部分を取ったり色や模様を選ぶことができます。小さいパーツですが思いを込められたと思います。
「霜月」は、古来より続く茶の湯文化における茶入の形式を踏まえながら、現代的な感性で再構成した作品です。素材には古来より器胎として用いられてきたミズメザクラを選び、天然漆で幾重にも塗り重ねています。金粉や螺鈿を用いた装飾は、室町から江戸にかけて発展した蒔絵技法の流れを汲みつつ、冬の夜に霜が降りる情景を抽象的に表現しています。漆工芸は千年以上の歴史を持ち、特に茶器においては「用の美」と「静けさの美」を重ねて発展してきました。本作もまた、その系譜に連なる一器として、伝統技法の中に現代の感性を宿しています。
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