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shingo696ohara
日本🇯🇵
「影飛沫(カゲシブキ)」は、光に寄り添いながらも常にそこに在る影を題材にした酒器です。漆黒の中に散らされた濃淡は、水面に弾ける飛沫のように一瞬の揺らぎを映し出します。影は決して実体を持たず、しかし光とともに存在し続ける不可分の相です。そのあり方は、人の心に潜む不安や迷い、あるいは静謐な深みを象徴しています。この器を手にするとき、飲む人は影が持つ奥行きや、その内に潜む豊かさを感じ取るでしょう。黒の世界に散る飛沫は、消えゆく一瞬を永遠へと繋ぐ契機となり、存在の儚さと確かさを同時に示します。影にこそ美を見出す、日本的感性を宿した哲学的造形です
「影飛沫(カゲシブキ)」は、山中の挽物と西洋のウッドターニングという異なる伝統技術を融合させ、その上に漆を施して完成させた酒器です。山中漆器は、江戸期から続く高度な木地挽物の技によって、生活の器を美術工芸へと昇華させてきました。一方でウッドターニングは、西洋において家具や装飾器を生み出し、精緻な造形と実用性を兼ね備えて発展してきた歴史を持ちます。本作は、東西の技術が出会い、互いの美意識を響かせる中で生まれたものです。漆黒の表情豊かな濃淡は、素材と技術の重なりにより生まれた新たな美を象徴しています。伝統の継承にとどまらず、工芸史に新たな一頁を加える試みです。
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