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カートは空です
shingo696ohara
日本🇯🇵
「朧月・昇天」は、水面に映る月と、やがて天に昇る月の姿を重ね合わせた酒器です。池に揺らめく月影は、この世に生きる私たちの儚さや有限性を映し出します。一方で、夜空へと昇る月は、時間の流れを超えた永遠性や精神の解放を象徴します。この器に酒を注ぐとき、揺らぎと静けさ、有限と無限、現実と超越のあわいを感じていただけるでしょう。朧に霞む月は、ただ不確かさを示すのではなく、移ろいゆく中にこそ美が宿ることを伝えています。飲む人の心を静め、また高める哲学的な契機を与える器です。
「朧月・昇天」は、山中の挽物と西洋のウッドターニングという二つの系譜を融合させた木地に、漆という東洋の伝統をまとわせた酒器です。山中漆器は、江戸期以来の高度な挽物技術により日常器から美術工芸へと発展してきました。一方、ウッドターニングは西洋で家具や器物の装飾を支えてきた工芸であり、機械的精緻さと造形の自由さに特色があります。本作は、東西の木工技術が時代を超えて響き合う中で生まれたものです。漆を施すことで、木地は単なる素材を超え、光と影を宿す存在へと変容します。その融合は、工芸の歴史を踏まえつつ新たな表現を切り開く試みであり、伝統と革新の対話を体現しています。
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