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shingo696ohara
日本🇯🇵
金注緑青盃は、金継ぎの思想と緑青の風合いを重ね合わせた器である。金継ぎは壊れを隠すのではなく、傷を輝きに変える日本独自の美意識を示す。その「継ぎ」に加え、「金を注ぐ」行為は、盃に生命や時間を注ぎ込む姿を象徴している。また、緑青は金属が時を経て自然と纏う色であり、人の営みと自然の働きが交差する証でもある。すなわち、この盃は壊れや老いを否定せず、それらを新たな輝きへと転化させる哲学を体現する。酒を受ける器として、人の喜びも悲しみも共に受け止め、時を経るほどに深まりゆく「不完全の美」を映し出している。
山中漆器は、加賀藩の時代から続く伝統工芸であり、特に轆轤を用いた挽物技術において高い評価を受けてきた。その精緻な木地づくりは、堅牢さと優美さを兼ね備え、長く人々の生活を支えてきた器を生み出してきた。また、漆塗りは縄文時代に遡る日本固有の技術であり、器に深みと光沢を与えるだけでなく、使うほどに味わいを増す「時を重ねる美」を備えている。本作品は、この山中の確かな挽物技術を基盤とし、漆という歴史的素材で仕上げることで、伝統の継承と新たな表現の融合を体現している。すなわち、過去の技と現代の感性が響き合う酒器である。
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