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Matsuzawa
日本🇯🇵
国宝「片輪車螺鈿蒔絵手箱」に見られる、流水に半ば沈む車輪のリズムと、蒔絵・螺鈿が生む“光の層”を、現代の移動空間=ステアリングへ翻訳した一点物です。手に触れる日用品だからこそ、鑑賞で終わらない工芸の体験を目指しました。伝統文様をそのまま複製するのではなく、走行という時間の中で立ち上がる陰影・反射・余白を設計し、静謐さと躍動を同居させています。
片輪車文は平安後期に好まれ、料紙下絵にも多く見られる意匠です。本歌の手箱は、平塵地に鑢紛を蒔き、金の波文と青金粉の車輪を研出蒔絵で表し、車輪の一部を螺鈿(毛彫りを伴う箇所も)として、叙景性に装飾性を重ねた優美さを示します。平安期の蒔絵螺鈿遺品は少なく、意匠・技法の点でも貴重とされます。その歴史的達成を踏まえ、工芸が“今の生活”に寄り添う形を提示しました。
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