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agano13th
日本🇯🇵
当窯の作風は派手な色を用いず、釉薬は透明釉を用いて土本来の発色を生かした象嵌技法が特徴となっている。基本となる胎土の青磁土(グレー)は地元で産出する白土(白)と赤土(黒)2つを配合して生み出している。象嵌の技と地産陶土の色を最大限に生かす表現に想いを巡らすうち、2つの土の配合比率をコントロールしてさまざまな階調のグレーを作り出し、象嵌に用いてグラデーションを表現する独自の象嵌技法「霞鼠/かすみねず」に辿り着いた。当作品では李朝期の「三島」と呼ばれる菊印花を用いた象嵌表現を、幾何学的配列の精度と器形との親和性によりシャープな佇まいを目指した。
江戸幕府の財政難の折に度々発布された「奢侈禁止令/しゃしきんしれい=贅沢禁止令」では人々の着物の色までを茶・鼠・藍などに制限した。 しかし町人たちはその制約の中で色を細かく分類し、微妙な色合いに名前を付け、「四十八茶百鼠」という言葉が生まれるほど違いを楽しむ工夫をした。また、派手な柄も禁じられたことから、遠目には無地に見える細かい柄「小紋」が発達したのもこの頃と言われる。 この「四十八茶百鼠」と「小紋」のちょっと捻くれた粋は「霞鼠」のコンセプトに大きな影響を与えてくれた。 また「文禄・慶長の役」の際、朝鮮半島より渡来した陶工たちにより日本の陶芸技術は大きく発展したが、朝鮮側の衰退に眼差しを向ける場面は少ないように思う。私の作品には「もし高麗・李朝の陶磁器が衰退せず、素材、道具、陶工の技や精度の練磨が現代まで歩み続けていたらどんな姿になっていただろうか?」がテーマとして根底にある。霞鼠はその1つの姿になれはしないかと夢見ながら、今日もひとつひとつ印花を押している。
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