佐藤典克:伝統の「縒」から再生の「炉」へ繋ぐ美の系譜
1974年岐阜県羽島市に生まれ、2001年に東京藝術大学大学院修士課程を修了した佐藤典克氏は、現在、日本工芸会正会員として多摩美術大学で教鞭を執りつつ、羽島市アンバサダーも務める気鋭の陶芸家です。
氏の系譜を象徴するのが、糸を縒り合わせるような動的な線文を刻む白磁の代表作「縒(より)」であり、さらに箔を焼き付け重厚な質感を表現する「箔巧彩(はっこうさい)」により、磁器における「静」と「動」の表現を確立しました。
これらの高度な技術は、現代の「つくる責任」を問う「昂炉輝彩(こうろこうさい)」へと昇華されています。
資源の再定義:相模原市から譲り受けた廃棄物由来の「溶解スラグ」を粉砕し、釉薬として蘇生 。
再生の彩り:1300℃の「炉」で無害化されたスラグが、茶色や薄いみどりの芸術的な彩りを生む 。
哲学の体現:限りある資源に貢献し、負の遺産を輝きに変える試みは 、茶道の「わび・さび」や「見立て」の精神をSDGsへと接続する新たな伝統の形です 。
伝統と現代社会の課題を編み合わせ、未来へ繋ぐ。それが佐藤氏の描く工芸の姿です。