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カートは空です
TomoyaEda
日本🇯🇵
茶室の空気が、ふと引き締まる瞬間。 それは、華美な装飾ではなく、揺るぎない「静寂」がそこに在るとき。 『兀坐』。山のように動かず、ただじっと座っていること。 この釜に込めたのは、そんな泰然とした風格です。 表面を埋め尽くす「総霰(そうあられ)」は、初期から続く茶釜の原点。 一粒、また一粒。 迷いなく、無欲に繰り返される手仕事の集積は、祈りにも似た誠実さを湛えています。 流行に左右されず、季節を問わず、どんな空間にも静かに馴染む。 けれど、決して揺らぐことのない普遍的な美。 ただそこにあるだけで、手にする人の心までをも整えてくれる――。 真髄を追い求めた先にたどり着いた、ひとつの答えがここにあります。
茶の湯の歴史において、釜は「茶室の主(あるじ)」と呼ばれてきました。中でも「霰(あられ)釜」の系譜は古く、室町時代の書院茶の時代から、格調高い格式と権威の象徴として愛されてきた意匠です。しかし、時代が「わび茶」へと移り変わる中で、その無数に並ぶ粒は、単なる装飾を超え、作為を排した「無心」の象徴へと昇華されました。 この『兀坐(こつざ)』という名に込めたのは、山のように動かず、ただじっと座っているという不動の精神です。 和銑釜は、砂鉄を原料とし、錆びに強く、長年の使用で美しさが増すのが特長です。独特の釜膚が「侘び」や「寂び」といった茶の美観を完成させます。大胆かつ繊細な造形と高度な鋳造技術は、古来の釜師の高い技量の証です。 鎌倉時代より続く天命鋳物は、芦屋釜と並び称され、大胆で力強い作風が特徴です。侘び茶の精神と結びつき、関東の茶の湯を支えてきました。千利休の時代から、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康ら数々の天下人に愛されたその歴史と技術の重みを、この天命の地で今に伝えてまいります。
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