活動情報

keiraku40

日本🇯🇵

活動情報1/8
作品

乾漆切錆丸箱「掬水月」

基本情報

素材・技法
漆
サイズ・重量
高さ:85 mm・横幅:270 mm・奥行:270 mm・重量:750 g

作品説明

「掬」は両手で水をすくう様子を表す。水面の映る月を掬えるのではないか?とおもい水面の手を伸ばしと、ゆらゆらと揺蕩いつかみ取ることはできないが手のひら(掌)に残った水にかすかに月のかけらが見え隠れする。 かつて作者が学んだ高松(香川県高松市)にある栗林公園には掬月亭は歴代の高松藩主松平公が愛したといわれている。 其の銘は唐の詩人の「掬水月在手、弄花香満衣」が由来といわれています。人が感じる様々なことは心のありようによって変わります。 月を美しいと思う人、水面の揺らめきに心を遊ぶ人、花の香に気が付き、その香りをまとうこと、またうつろぐことに哀れを感じる人。 様々な解釈が成り立ちます。 作者は3年間、高松の地で諸先輩の技と作品との取り組みを学ぶ機会をえました。 夜は毎晩のように瀬戸の夜の海を眺めて過ごしました。 そこにあるのに、曖昧であり、心ではつかめても手ではつかめないものをそこに感じていました。 工芸作品は、作り手の思いとともに使い手の中にある美を共有するものだと考えています。本作が鑑賞者の心に届き共感につながる事を願います。

制作背景

本作に使った技法として切錆という技法がある。漆工芸において「錆」とは「錆漆」とも呼ぶ。砥石の粉と漆と場合によって適量の水分を加えたペースト状の物体であり。多くの場合漆器の成型材としてパテのようにヘラや刷毛などを使って器物に付着させ、硬化後、砥石などで研いで成型した上に、一般的よく知られる黒い漆や赤い漆などを塗っていく。いわば漆器の最終形状を左右する材料である。その「錆」をヘラなどで、まるで刃物で切り取ったかのように成型するところから「切錆」と呼ばれる技法を我が家では多用している。漆の代表的な装飾技法である蒔絵や螺鈿、蒟醤や彫漆などは基本的に髹漆(漆の塗る事)の上に成立する。この髹漆を行う者を日本では塗師屋と呼んだ。塗師屋はヘラと刷毛と砥石で形を成型して漆を塗り上げて物を完成させる。そのシンプルな技術と表現の中で生み出された表現技法のひとつが切錆技法である。そしてこの技法の最大の特徴は、段差や面の変化に光が当たることで単色の中に反射や模様が浮かび上がる事である。様々な色もすべて光が当たることで人は認識する。作者はこの技法と出会い「月明りの夜の海」の表現の一つの技法として選択している。

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